第92条 Art 92
第92条 第92条
Die rechtsprechende Gewalt ist den Richtern anvertraut; sie wird durch das Bundesverfassungsgericht, durch die in diesem Grundgesetze vorgesehenen Bundesgerichte und durch die Gerichte der Länder ausgeübt.
司法権は、裁判官に委ねられるんや。司法権は、連邦憲法裁判所、この基本法に定める連邦裁判所、そして州の裁判所により行使されるで。
この条文は、司法権が裁判官に委ねられ、連邦憲法裁判所、基本法に定める連邦裁判所および州の裁判所により行使されることを定めています。これは三権分立の原則を確立し、司法の独立を保障する根本規定です。「裁判官に委ねられる」とは、裁判官以外の者(行政機関等)が司法権を行使できないことを意味します。ドイツの裁判制度は、憲法裁判、通常裁判、行政裁判、財政裁判、労働裁判、社会裁判の6つの系統に分かれており、連邦と州がそれぞれ裁判所を設置します。司法制度の基本構造を定める重要な規定です。
司法制度の基本中の基本を決めた、めっちゃ大事な条文なんや。「裁判する権限(司法権、rechtsprechende Gewalt)は、裁判官(Richter)に任せる(anvertraut)」っちゅうことやねん。これがめっちゃ重要でな。「裁判官に委ねられる」(den Richtern anvertraut)っていうのは、裁判官以外の人や組織(行政機関、軍隊、政治家)が裁判したらあかんっちゅう意味なんや。例えばな、役所が「この人は法律違反や」って勝手に決めて罰則与えることはできへんのや。警察が「こいつは犯人や」って決めて刑罰を科すこともできへんねん。必ず独立した裁判官が、公正な手続き(faires Verfahren)で、証拠を見て、法律に基づいて判断せなあかんのや。これは三権分立(Gewaltenteilung、立法・行政・司法の分離)の基本原則で、行政権力が司法に介入できへんようにしてるんやな。ナチス時代には、「特別裁判所」(Sondergerichte)とか「人民裁判所」(Volksgerichtshof)とか、政治的に支配された裁判所がぎょうさんあって、公正な裁判が行われへんかったんやで。例えばな、ローラント・フライスラー(Roland Freisler)っていう悪名高い人民裁判所長官は、反ナチス抵抗運動のメンバーを次々と「国家反逆罪」で死刑にしたんや。被告人に弁護の機会もほとんど与えずに、数時間で死刑判決を出して、翌日には処刑っていうめちゃくちゃな裁判をやってたんやで。戦後の基本法は、そういう歴史の反省から「裁判は独立した裁判官だけがやる」って明確に決めたんや。
そして「裁判は、連邦憲法裁判所(Bundesverfassungsgericht)、基本法に定める連邦の裁判所(Bundesgerichte)、州の裁判所(Gerichte der Länder)がやる」っちゅうことや。ドイツの裁判制度は世界的に見てもめっちゃ複雑で、専門分野ごとに6つの裁判系統(Gerichtszweige)に分かれてるんやで。①連邦憲法裁判所(憲法問題、Verfassungsfragen)、②通常裁判所(Ordentliche Gerichtsbarkeit、刑事・民事、Straf- und Zivilsachen)、③行政裁判所(Verwaltungsgerichtsbarkeit、行政訴訟、Klagen gegen Behörden)、④財政裁判所(Finanzgerichtsbarkeit、税金の争い、Steuersachen)、⑤労働裁判所(Arbeitsgerichtsbarkeit、労働問題、Arbeitskonflikte)、⑥社会裁判所(Sozialgerichtsbarkeit、年金・健康保険の争い、Renten- und Krankenversicherungsstreitigkeiten)っていう6つやな。なんでこんなに分かれとるかっちゅうと、専門性(Spezialisierung)を高めるためなんや。税金の争いは税法がめっちゃ複雑やから税法の専門家が、労働問題は労働法がめっちゃ繊細やから労働法の専門家が判断した方がええやろ? それぞれの分野で専門的な知識を持った裁判官が判断するから、質の高い裁判(hochwertige Rechtsprechung)ができるんやな。例えばな、税務裁判所(Finanzgericht)の裁判官は、税理士とか会計士の資格を持ってたり、企業の税務部門で働いてた人が多いんやで。労働裁判所(Arbeitsgericht)には、労働組合や経営者団体の代表も陪席裁判官(ehrenamtliche Richter)として参加するんや。これで、現場の実情に即した判断ができるんやな。
さらに面白いのは、それぞれの裁判系統で「連邦の裁判所」と「州の裁判所」の両方があるっちゅうことや。例えば通常裁判所やと、一審は州の簡易裁判所(Amtsgericht、軽微な事件)か州の地方裁判所(Landgericht、重大な事件)、二審は州の上級地方裁判所(Oberlandesgericht)、三審(最終審)が連邦通常裁判所(Bundesgerichtshof、BGH)っていう構造やねん。つまり、州がまず一次的に裁判をやって、最終的な統一的判断は連邦が下すんや。これでドイツ全国で法律の解釈が統一される(Rechtseinheit)し、州の自律性(Autonomie der Länder)も守られるっていう、連邦制のバランスが取れてるんやな。州によって裁判のやり方がちょっと違うこともあるけど、最終的には連邦最高裁が統一見解を出すから、全国で法の下の平等(Gleichheit vor dem Gesetz)が実現されるんや。例えばな、バイエルン州とベルリン州で同じ問題について違う判断が出たら、連邦通常裁判所(BGH)に上訴して、BGHが「全国統一の解釈はこうや」って示すんやな。これで、連邦制を取りつつも法的統一性(Rechtseinheit)も確保してるんやで。
わたしが思うに、この第92条は地味に見えるけど、法治国家(Rechtsstaat)と民主主義を支える土台やと思うで。「裁判官に委ねられる」っていう一言に、めっちゃ深い意味があるんやな。政治家が裁判に介入できへん、役所が勝手に罰則を科せへん、警察が独断で刑を決められへん、っていう当たり前のことが、実は憲法で保障されてるんや。ナチス時代には、ヒトラーが気に入らへん人を「人民裁判所」で裁いて、まともな弁護もなしに死刑にしたりしたんやで。裁判官も政治的圧力に屈して、不当な判決(Unrechtsu rteile)を出しまくったんや。戦後のドイツは「絶対にそれを繰り返さへん」って決意して、司法の独立(richterliche Unabhängigkeit)を憲法の根本原則にしたんやな。しかも専門裁判所制度(Fachgerichtsbarkeit)で、それぞれの分野のプロが判断するっていう、めっちゃ洗練されたシステムを作ったんやで。これが第92条から始まる司法制度の章の基礎なんや。民主主義は多数決やけど、多数決で人権を侵害したらあかんっていう、立憲民主主義の理念を守るために、独立した司法が絶対に必要なんやで。
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