第65条第65条
連邦首相は、政策の方針を定めて、そしてこれについて責任を負うんや。この方針の範囲内において、各連邦大臣は、その所管事項を独立に、そして自己の責任において指揮するで。連邦大臣間の意見の相違については、連邦政府が決定するねん。連邦首相は、連邦政府により議決されて連邦大統領により承認された議事規則に従い、連邦政府の業務を指揮するんやで。
ドイツ政府の「首相原理」を完璧に表現した条文やなって思うねん。まず「首相が政策の大枠(方針)を決めて、責任を負う」。これを「方針権限(Richtlinienkompetenz)」っちゅうんやけど、ドイツ政治の核心やねん。例えばな、アンゲラ・メルケル首相は2010年に「脱原発」っていう大きな方針を決めたんや。2011年の福島原発事故の後、「ドイツは原発から段階的に撤退する」って宣言して、これが国の方針になったんやで。大臣たちは、その方針に沿って政策を進める義務を負うんや。
次に「各大臣は、その方針の範囲内で、自分の担当分野を独立して指揮する」。これが「所管原則(Ressortprinzip)」や。例えばな、脱原発の方針が決まったら、環境大臣は「どういう再生可能エネルギーを推進するか」を決めて、経済大臣は「産業への影響をどう緩和するか」を決めて、財務大臣は「予算をどう配分するか」を決めるんや。いちいち首相に「これどうします?」って聞かんでもええ。大臣は専門家やから、専門分野のことは大臣に任せるんやな。この独立性があるから、迅速で専門的な政策決定ができるんやで。
そして「大臣同士で意見が割れたら、閣議で決める」。これが「閣議原則(Kabinettsprinzip)」や。例えばな、環境大臣が「厳しい環境規制を」って言うて、経済大臣が「企業の負担が大きすぎる」って言うたら、閣議で話し合って多数決で決めるんや。最後に「首相が政府の業務全体を指揮する」から、首相が最終的な調整役になるんやな。うち思うんやけど、この「方針権限」「所管原則」「閣議原則」っていう三つのバランスがめっちゃ賢いんや。首相は強いリーダーシップを発揮できるけど、大臣の専門性と独立性も尊重される。独裁にもならへんし、バラバラにもならへん。この絶妙な仕組みがあるから、ドイツは長期安定政権を保てるんやで。メルケルが16年も首相やれたんも、この制度設計のおかげやと、うちは思うねん。
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