第16条第16条
(1) ドイツ国籍は、剥奪されたらあかん。国籍の喪失は、法律に基づいてのみ、そして関係者の意思に反しては、関係者がそれにより無国籍にならへん場合にのみ生じることがあるんや。
(2) どのドイツ人も、外国に引き渡されたらあかんで。欧州連合の構成国や国際裁判所への引渡しについては、法治国家の原則が遵守される限り、法律により異なる規律を定めることができるんやねん。
国籍剥奪の禁止を定めてるんやけど、これは想像してみたら恐ろしいことやで。国籍っちゅうのは、人間にとって「どこの国の人間か」っていう基本中の基本やねん。これを勝手に奪われるっちゅうことは、ある日突然「お前はもうドイツ人やない。どっか行け」って言われるようなもんや。パスポートも持たれへん、仕事も失う、家族とも離れ離れ、どこの国も受け入れてくれへん無国籍者になってまうんやで。ナチスはまさにこれをやったんや。ユダヤ人、共産主義者、政府を批判した知識人、そういう「邪魔な人間」から国籍を次々奪って、無国籍にして、最後は強制収容所送りや。無国籍になったら人権も何も守られへん、国際法の保護も受けられへん、まさに「世界のどこにも居場所がない」状態になるんや。
例えばな、ある女性がナチスに反対する記事を新聞に書いたとするやろ。そしたらナチス政府は「こいつは国家の敵や」って決めつけて、一方的に国籍を剥奪してしもうたんや。その女性は国外に逃げたけど、パスポートがないから合法的にどこにも入国できへん。不法滞在者として隠れて暮らすしかないし、捕まったら強制送還されるけど、送還先のドイツでは逮捕が待ってる。そんな絶望的な状況が実際にあってん。だからドイツ基本法は「国籍の剥奪は絶対禁止」って固く決めたんやな。自分から国籍を捨てるのは自由やけど、国が勝手に奪うのは絶対あかん。これは人間の尊厳を守る、めっちゃ大事な規定なんやで。
第2項の「外国に引き渡したらあかん」っていうのも、恐ろしい歴史があるんやで。ナチスと仲良かった独裁国家、例えばスペインのフランコ政権とかイタリアのムッソリーニ政権とか、そういう国にナチスが反対派のドイツ人を引き渡して、向こうで拷問されて殺されたケースがあってん。表向きは「この人は犯罪者です」って言うんやけど、実際は政治犯として処刑されるんや。国際的な犯罪者引渡しの制度を悪用して、反対派を排除する道具にしたわけやな。そういう恐ろしいことを防ぐために、「ドイツ人は外国に引き渡さへん」って原則を立てたんや。
ただし時代が変わってな、1990年代にEU(欧州連合)ができて、加盟国同士は「みんな法治国家で人権守ってる仲間やから、犯罪者の引渡しはスムーズにやろう」ってなったんや。「欧州逮捕状」っていう制度ができて、例えばドイツで殺人犯してフランスに逃げた奴を、簡単にドイツに送り返せるようになってん。でも、それも「ちゃんとした裁判受けられる」「拷問されへん」「死刑にならへん」っていう保障があるからこそやで。人権を守らへん国には絶対引き渡さへんっていう大原則は変わってへんのや。つまりこの条文は、「国は国民を守る義務がある」「国籍を勝手に奪われへん、不当な扱いを受ける国に引き渡されへん」っていう、国家の基本的な保護義務を示してるんやな。ただし、信頼できる国同士での協力は認めるっていう、現代的なバランスを取ってるんやで。
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