第119条第119条
難民と追い出された人の事項、特にその人たちを州にどう配るかについては、連邦法律で決まるまで、連邦政府は、連邦参議院が認めたら、法律の効力を持つ命令を出せるんや。特別な場合には、連邦政府は個別の指示を出す権限をもらえるで。指示は、急いでる危険があるときを除いて、州の一番上の役所に対してせなあかんねん。
戦後最大の人道危機「1200万人の難民をどないするんや」っちゅう緊急事態への対応を決めた条文で、ドイツ史上最大規模の人口移動に対処するための特別措置やねん。
まず歴史的背景を説明するで。1945年、戦争が終わった。ドイツは完全に負けて、国土は廃墟になった。その時、東ヨーロッパ——ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ユーゴスラビア——に何百年も住んでたドイツ系住民が、一斉に「追放(フェアトライブング)」されたんや。「お前らドイツ人は出てけ!」ってな。その数、1200万人以上や。東京都の人口(約1400万人)に匹敵する規模やで。ものすごい数やろ。
なんでこんなことになったんかっちゅうと、ナチスが東欧諸国を侵略して、現地の人々を迫害したからや。ポーランドだけで600万人が殺された。チェコでも何十万人も犠牲になった。せやから戦争が終わったら、現地の人々は「ドイツ人に復讐したる」って怒り狂っとったんや。ポツダム会談(1945年7月)で、連合国は「東欧のドイツ系住民をドイツに移送する」って決めた。これを「秩序ある移送(オーダリー・トランスファー)」って呼んだけど、実際は全然秩序だった移送やなかったんや。真冬に家から追い出されて、財産は全部没収されて、貨車に詰め込まれて運ばれた。移送中に何十万人も亡くなったと言われとる。
この1200万人の難民を、どこに住まわせるんや?家は?仕事は?食料は?めちゃくちゃ緊急事態や。ドイツ自体が焼け野原で、既存の住民でさえ食料不足で苦しんどったのに、そこに1200万人が押し寄せてきたんや。しかも難民は、故郷を失って、財産も失って、家族も失って、心に深い傷を負っとった。普通やったら「法律作って、議会で議論して、予算組んで...」って時間かかるやろ。そんな悠長なこと言うてられへんかったんや。
せやからこの条文で「連邦政府に特別な権限を与える。連邦参議院(地方の代表)の同意があれば、法律と同じ効力を持つ命令(フェアオルドヌング・ミット・ゲゼツェスクラフト)を出せる」って決めたんや。具体的には「シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州に5万人、ニーダーザクセン州に10万人、バイエルン州に15万人」みたいに、各州に難民を割り振る権限を政府に与えたんやな。州によっては人口の3割が難民っちゅうとこもあったで。特別な場合には「個別の指示(アインツェルヴァイズング)」——例えば「この町にこの家族を受け入れろ」みたいな具体的な命令——も出せるんや。ただし、緊急時以外は州の最上級官庁(州政府)に対して指示を出さなあかんねん。地方を飛び越えて、いきなり市町村に命令することはでけへんのや。
この難民の統合(インテグラツィオーン)は、ドイツの戦後復興の大きな課題やった。難民は「第二級市民」として差別されることもあった。でも時間をかけて、社会に溶け込んでいったんや。「困った時はお互い様」っちゅう連帯の精神で、既存の住民も難民も協力して、国を再建したんやな。この経験が、後のシリア難民受け入れ(2015年以降)の土台にもなっとるんやで。
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