第84条 第84条
第84条 第84条
信託統治地域が国際の平和及び安全の維持についてその役割を果すようにすることは、施政権者の義務である。このため、施政権者は、この点に関して安全保障理事会に対して負う義務を履行するに当って、また、地方的防衛並びに信託統治地域における法律及び秩序の維持のために、信託統治地域の義勇軍、便益及び援助を利用することができる。
信託統治地域が国際の平和と安全の維持についてその役割を果たすようにすることは、施政権者の義務やで。このため、施政権者は、この点に関して安全保障理事会に対して負う義務を履行するに当たって、また、地方的防衛並びに信託統治地域における法律と秩序の維持のために、信託統治地域の義勇軍、便益、援助を利用することができるんやで。
本条は、信託統治地域における軍事・安全保障面での施政権者の義務と権限を定める。第一に、施政権者は信託統治地域が国際平和と安全の維持に貢献するよう責任を負う。第二に、その義務履行のため、また地域の防衛と秩序維持のため、当該地域の軍事力等を利用できる。
本条により、施政権者は安全保障理事会に対して責任を負いつつ、信託統治地域内での軍隊募集、軍事基地設置、資源利用などが可能となる。これは戦略地区の場合に特に重要な意味を持つ規定である。
ただし、この権限は信託統治の基本目的(第76条)や信託統治協定の範囲内で行使されなければならない。住民の福祉や自治発展という目的を損なう形での軍事利用は本来認められない。実際の運用においては、この原則と軍事的要請との緊張関係が存在した。
信託統治地域における軍事的な面について、施政権者(統治する国)が何をせなあかんか、何ができるんかっていうのを決めてる条文やで。これが信託統治制度に関する最後の条文やね。
まず、「信託統治地域が国際の平和と安全の維持についてその役割を果たすようにする」っていうのが施政権者の義務やって書いてあるんや。これは要するに、信託統治地域を国際平和と安全のために役立てなあかん、っていう意味やね。具体的には、軍事基地を置いたり、防衛に協力させたり、国連の安全保障活動に貢献させたりすることを想定してるわけや。
そしてな、そのために施政権者は、信託統治地域の「義勇軍、便益、援助」を利用できるって書いてあるやろ。「義勇軍」っていうのは、その地域の住民から募集する軍隊のことやね。「便益」っていうのは、軍事基地を作るための土地とか、軍事物資を輸送するための港とか、そういう施設のこと。「援助」っていうのは、その地域の資源とか労働力とか、軍事活動を支援するための協力のことや。
例えばな、アメリカが統治してた太平洋諸島信託統治地域では、実際に軍事基地が置かれたし、マーシャル諸島では核実験も行われたんや。これは第84条に基づいて、「国際の平和と安全の維持」のためや、っていう名目で正当化されたわけやね。でも、住民を強制移住させて核実験するのが「国際平和」なんか、っていう批判も当然あったんやで。
「地方的防衛」と「法律と秩序の維持」のためにも、信託統治地域の資源を使えるって書いてあるんや。「地方的防衛」っていうのは、その地域を外部からの攻撃から守ること。「法律と秩序の維持」っていうのは、地域内での治安維持のことやね。つまり、外からの脅威にも内からの混乱にも対応するために、軍事力を使えるっていうことや。
ここで重要なのはな、「安全保障理事会に対して負う義務を履行するに当たって」って書いてあることや。つまり、施政権者が好き勝手に軍事利用してええわけやなくて、安全保障理事会に対する責任があるんやで、っていう制約がかかってるわけやね。安全保障理事会は、施政権者が適切に義務を果たしてるかどうかを監督する立場にあるんや。
ただしな、実際の歴史を見るとな、この第84条は結構問題があったんやで。第76条では「住民の福祉」とか「自治への発展」が信託統治の基本目的やって書いてあるのに、第84条では軍事利用が認められてるから、この2つがぶつかることがあったんや。住民の福祉よりも軍事的必要性が優先されてしまう、っていうことが実際に起きたわけやね。
この条文はな、国連憲章が作られた時代、つまり第二次世界大戦直後の冷戦が始まる時期の、現実主義的な考え方を反映してるんや。理想としては信託統治地域の住民を独立に導くことやけど、現実問題として国際安全保障も重要やから、軍事利用も認めましょう、っていうバランス(あるいは妥協)の産物やと言えるんやで。せやけど、そのバランスが住民の犠牲の上に成り立ってたっていう面も、忘れたらあかんと思うねん。
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