第83条 第83条
第83条 第83条
戦略地区に関する国際連合のすべての任務は、信託統治協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、安全保障理事会が行う。
第76条に掲げる基本目的は、各戦略地区の人民に適用する。
安全保障理事会は、国際連合の信託統治制度に基く任務で戦略地区の政治的、経済的、社会的及び教育的事項に関するものを遂行するために、信託統治理事会の援助を利用する。但し、信託統治協定の規定には従うものとし、また、安全保障の考慮が妨げられてはならない。
戦略地区に関する国際連合のすべての任務は、信託統治協定の条項やその変更または改正の承認を含めて、安全保障理事会が行うんやで。
第76条に掲げる基本目的は、各戦略地区の人民に適用するんや。
安全保障理事会は、国際連合の信託統治制度に基づく任務で、戦略地区の政治的、経済的、社会的、教育的事項に関するものを遂行するために、信託統治理事会の援助を利用するんやで。ただし、信託統治協定の規定には従うもんとするし、また、安全保障の考慮が妨げられたらあかんねん。
本条は、戦略地区に関する国連の権限配分を定める。第1項により、戦略地区については、通常の信託統治地域を監督する総会や信託統治理事会ではなく、安全保障理事会が主たる権限を持つ。協定の承認、変更、改正もすべて安全保障理事会が行う。
第2項は、戦略地区であっても、第76条に定める信託統治の基本目的(住民の福祉向上、自治・独立への漸進的発展など)が適用されることを確認する。軍事的重要性が強調されても、信託統治本来の目的は放棄されない。
第3項は、安全保障理事会が政治・経済・社会・教育事項については信託統治理事会の援助を受けることができると定める。ただし、安全保障上の考慮が優先され、信託統治協定の規定にも従う必要がある。これにより、軍事的監督と福祉的監督の役割分担が図られている。
第82条で出てきた「戦略地区」について、国連の中でどの機関が監督するんかっていう、権限の配分を決めてる条文やねん。これがけっこう重要な条文なんやで。
第1項を見てみるとな、戦略地区に関しては、すべて安全保障理事会が担当するって書いてあるやろ。普通の信託統治地域やったら、第85条にあるように総会と信託統治理事会が監督するんやけど、戦略地区については安全保障理事会が全部やるわけや。信託統治協定の承認も、変更も、改正も、ぜんぶ安全保障理事会が決めるんやね。
なんでこういう仕組みにしたんかっていうとな、戦略地区は軍事的に重要な地域やから、安全保障の専門機関である安全保障理事会に任せた方がええやろ、っていう考えなんや。でもな、ここには裏の事情もあってな、安全保障理事会は常任理事国(アメリカ、ソ連(現ロシア)、イギリス、フランス、中国)が拒否権を持ってるから、大国が自分の権益を守りやすいっていう面もあるんやで。
第2項が大事でな、「戦略地区であっても、第76条の基本目的は適用されるんやで」って確認してるんや。第76条っていうのは、信託統治の目的を定めた条文で、住民の福祉を向上させるとか、自治や独立に向けて発展させるとか、そういう基本的な目標が書いてあるねん。つまり、「戦略地区やからって、軍事基地にして住民のことはほったらかしでええよ」っていうわけやないんやで、っていう歯止めをかけてるわけやね。
実際にはな、アメリカが統治してた太平洋諸島信託統治地域(唯一の戦略地区)では、この第2項の理念が十分に守られたかどうかは議論があるんや。例えばな、マーシャル諸島のビキニ環礁では、住民を強制移住させて核実験を繰り返したやろ。これは第76条の「住民の福祉」っていう目的に反するんちゃうか、っていう批判があったんやね。
第3項はな、安全保障理事会が政治的、経済的、社会的、教育的な事項については、信託統治理事会の助けを借りることができる、って書いてあるんや。信託統治理事会っていうのは、信託統治地域の福祉的な面を監督する専門機関やから、そういう専門知識を活用しましょう、っていう趣旨やね。ただし、「安全保障の考慮が妨げられたらあかん」っていう条件がついてるから、結局は安全保障が優先されるっていう仕組みになってるんや。
ちなみに、信託統治理事会は1994年にすべての信託統治地域が独立した後、活動を停止してるんやで。今は存在はしてるけど、実際には機能してへん状態やね。戦略地区制度も、太平洋諸島が独立・自由連合の形になって、もう使われてへんねん。
この第83条を全体として見るとな、「安全保障も大事やけど、住民の福祉も忘れたらあかんで」っていうバランスを取ろうとしてる条文やと言えるんやで。ただ、実際の運用では安全保障の方が優先されがちやった、っていうのが歴史的な現実やねんけどな。それでも、戦略地区であっても信託統治の基本目的は適用されるっていう原則を明記したことには、意味があったと思うで。
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