第82条 第82条
第82条 第82条
いかなる信託統治協定においても、その協定が適用される信託統治地域の一部又は全部を含む1又は2以上の戦略地区を指定することができる。但し、第43条に基いて締結される特別協定を害してはならない。
どんな信託統治協定においても、その協定が適用される信託統治地域の一部または全部を含む1つまたは2つ以上の戦略地区を指定することができるんや。ただし、第43条に基づいて締結される特別協定を害したらあかんで。
本条は、信託統治地域の中に「戦略地区」を設定できることを規定する。戦略地区とは、国際の平和と安全の維持に特に重要な意義を有する地域を指し、通常の信託統治地域とは異なる特別な扱いを受ける。
戦略地区に指定されると、第83条により安全保障理事会が主たる監督権限を持つことになる。これは冷戦期の安全保障上の要請を反映したものである。歴史的には、米国が施政権を持った太平洋諸島(ミクロネシア、マーシャル諸島など)が唯一の戦略地区として指定された。
ただし書は、第43条に基づく特別協定(国連に軍隊等を提供する協定)との関係を整理する。戦略地区の設定が加盟国の軍事的義務に影響を与えないことを確認するものである。
「戦略地区」っていうのはな、信託統治地域の中でも特に安全保障上重要な地域のことを言うんやで。つまり、軍事的に大事な場所っていうことやね。
なんでこんな区別をするんかっていうとな、第二次世界大戦が終わった直後は、すぐに冷戦が始まって、アメリカとソ連が対立する時代になったやろ。そういう状況の中で、ある地域が軍事的にめちゃくちゃ重要な位置にある場合、普通の信託統治と同じように扱うわけにいかへん、っていう考えがあったんや。
例えばな、太平洋の真ん中にある島々は、第二次世界大戦で激戦地になったし、冷戦時代も戦略的に重要な場所やったわけやね。アメリカから見たら、ソ連への防衛ラインとして、また核実験の場所として、どうしても押さえておきたい地域やったんや。せやから、そういう地域を「戦略地区」として指定して、普通の信託統治とは違う扱いができるようにしたわけや。
実際にはな、戦略地区として指定されたのは、アメリカが施政権を持った「太平洋諸島信託統治地域」だけやったんやで。これは今のミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオとかの地域やね。アメリカはこの地域で核実験をやったり、軍事基地を置いたりしてたんや。
第83条を見たら分かるけど、戦略地区に指定されるとな、監督するのが総会やなくて安全保障理事会になるんや。安全保障理事会っていうのは、アメリカとかソ連とか大国が拒否権を持ってる機関やから、大国に都合のええ運営がしやすくなるわけやね。これは戦略地区制度の問題点として批判されることもあったんや。
ただし書で「第43条に基づいて締結される特別協定を害したらあかん」って書いてあるのはな、戦略地区の設定が、加盟国が国連に軍隊を提供する義務(第43条で決まってる)に影響を与えたらあかんよ、っていう意味やねん。つまり、戦略地区があるからって、他の国の軍事的な義務が変わるわけやない、っていう確認やね。
歴史的に見るとな、太平洋諸島信託統治地域は1990年代までに独立(ミクロネシア連邦、マーシャル諸島)または自由連合(パラオ)っていう形で信託統治が終了したんやで。戦略地区制度は、冷戦という特殊な時代の産物やったとも言えるけど、安全保障と脱植民地化のバランスをどう取るかっていう難しい問題を示してる条文なんやね。
簡単操作