第43条 第43条
第43条 第43条
国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基き且つ1又は2以上の特別協定に従って、国際の平和及び安全の維持に必要な兵力、援助及び便益を安全保障理事会に利用させることを約束する。この便益には、通過の権利が含まれる。
前記の協定は、兵力の数及び種類、その出動準備程度及び一般的配置並びに提供されるべき便益及び援助の性質を規定する。
前記の協定は、安全保障理事会の発議によって、なるべくすみやかに交渉する。この協定は、安全保障理事会と加盟国との間又は安全保障理事会と加盟国群との間に締結され、且つ、署名国によって各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。
国際の平和と安全の維持に貢献するために、すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の要請に基づいて、1つまたは2つ以上の特別協定に従って、国際の平和と安全の維持に必要な兵力、援助、それと便益を安全保障理事会に利用させることを約束するんやで。この便益には、通過の権利が含まれるんや。
前に書いた協定は、兵力の数と種類、その出動準備の程度と一般的な配置、それと提供されるべき便益と援助の性質を決めるんや。
前に書いた協定は、安全保障理事会の発議によって、できるだけすみやかに交渉するんやで。この協定は、安全保障理事会と加盟国との間、または安全保障理事会と加盟国群との間に締結されて、署名国によって各自の憲法上の手続きに従って批准されなあかんねん。
本条は、国連の集団安全保障体制の中核をなす規定である。第1項は加盟国が安保理の要請に基づき特別協定により兵力等を提供する義務を定める。これは国連が独自の軍事力を持たず、加盟国の兵力提供に依存する構造を示す。「便益」には領土通過権などが含まれる。
第2項は協定内容として兵力の数・種類、出動準備状態、配置、援助の性質を規定すると定める。第3項は協定交渉の手続を定め、安保理の発議により速やかに交渉し、憲法上の手続による批准を要求する。これは各国の主権を尊重する規定である。
しかし本条に基づく特別協定は一度も締結されていない。冷戦による東西対立で合意が困難であったためである。実際には、安保理決議に基づき各国が自発的に兵力を提供する平和維持活動(PKO)が発展した。本条は理想的制度設計だが実現しなかった「幻の条文」となっている。
国連の集団安全保障体制っていう仕組みの中心になる条文なんやで。「集団安全保障」っていうのは、みんなで力を合わせて平和と安全を守りましょう、っていう考え方やね。第1項では、国連の加盟国はすべて、安保理が要請したら兵力とか援助とか便益を提供することを約束する、って決めてるんや。
「兵力」っていうのは軍隊のことやね。「援助」っていうのは軍事的な支援のこと。「便益」っていうのは、例えば軍隊が通過する権利とか、基地を使わせてもらう権利とか、そういう便宜を図ることなんや。これらを安保理が使えるように提供する、っていうのが加盟国の義務やねん。
この仕組みの特徴はな、国連が自分の軍隊を持ってへんっていうことなんや。国連軍っていう独自の軍事力があるわけやなくて、加盟国が自分の国の軍隊を提供する形になってるんやね。そやから、加盟国が協力してくれへんかったら、国連は軍事的な行動がとられへんっていうことなんや。
第2項では、特別協定の中身について決めてるんや。兵力の数と種類(例えば陸軍何人、海軍何隻とか)、どれぐらいすぐに出動できるか、どこに配置するか、どんな援助や便益を提供するか、そういうことを協定で細かく決めるんやね。事前にちゃんと決めとくことで、いざというときにスムーズに動けるようにする狙いやねん。
第3項では、この協定をどうやって作るかの手続きを決めてるんや。安保理が「協定を結びましょう」って提案して、できるだけ早く交渉するんやね。協定は安保理と個々の加盟国との間で結ぶこともできるし、複数の加盟国をまとめて結ぶこともできる。それで、協定に署名した国は、自分の国の憲法に従った手続きで批准せなあかんねん。これは各国の主権を尊重してるっていうことやね。
せやけどな、実はこの第43条に基づく特別協定は、今まで一度も締結されてへんねん。これが大きな問題なんや。なんで締結されへんかったかっていうと、冷戦の時代に東側と西側が対立してて、どの国がどれだけ兵力を出すかとか、全然合意できへんかったからなんやね。お互いに疑心暗鬼で、協力する雰囲気やなかったわけや。
そやから、実際にはどうしてるかっていうと、安保理の決議に基づいて各国が自発的に兵力を提供する「平和維持活動」(PKOっていうやつやね)が発展してきたんや。これは第43条の協定とは違って、そのつど決議を出して、参加したい国が自分から手を挙げる形なんやね。柔軟やけど、事前に決まってへん分、対応が遅れることもあるんや。
この第43条はな、国連憲章を作った人たちの理想的な制度設計やったんやで。すべての加盟国が事前に協定を結んで、いざというときにはすぐに兵力を出して、みんなで平和を守る。そういう完璧な集団安全保障体制を目指したんや。せやけど、現実の国際政治はそんなに甘くなくて、この理想は実現せえへんかったんやね。
そやから第43条は「幻の条文」って呼ばれることもあるんや。条文としては存在してるけど、実際には使われたことがない。理想と現実のギャップを示す条文やっていえるんやで。それでも、この条文があることで、国連が本来目指してた集団安全保障の理想が何やったか、っていうのが分かるんや。いつかこの理想が実現する日が来るかもしれへんね。
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