第3条第三条
1 締約国はな、登録簿に載ってる湿地の保全を促進して、それから自分の領域の中の湿地をできる限り適正に利用することを促進するために、計画を作って実施するんやで。
2 それぞれの締約国は、自分の領域の中にあって登録簿に載ってる湿地の生態学的な特徴がな、技術の発達や汚染その他の人為的な干渉の結果、もう変化してたり、変化しつつあったり、変化するおそれがあったりする場合には、こういう変化に関する情報をできる限りはように手に入れられるような措置をとるんや。そしてこの変化に関する情報は、遅れることなく、第八条に定める事務局の任務について責任を持つ機関か政府に知らせなあかんのやで。
リストを作って満足してまう、っていうの、身に覚えあらへん? 片づけでも勉強でも、計画表を作った時点で達成した気になってまうことってあるやろ。この条文は、湿地を登録簿に載せただけで安心してまわんように、「計画を作って、実施しなさい」ってちゃんと釘を刺してるんや。しかもその中身がおもしろくて、守ることだけやのうて「できる限り適正に利用すること」も促進せえ、って言うてるんやね。
この「適正な利用」、ワイズユースって呼ばれる考え方が、この条約を貫く基本理念なんや。例えばな、Aさんが先祖代々の畑を受け継いだとするやろ。「大事やから」って柵で囲って誰も入れんようにしたら、畑は荒れて、手入れの仕方を知る人もおらんようになってまう。逆に取れるだけ取ったら土がやせてしまう。ちょうどええのは、土を育てながら使い続けることや。湿地も同じで、人間を締め出すんやのうて、生態系を壊さん範囲で暮らしと一緒に続けていく。守ると使うを対立させへん、なかなか成熟した発想やと思わへん?
第2項は、いわば湿地の健康診断や。登録湿地の生態学的な特徴が、技術の発達や汚染なんかの人為的な干渉で変わってもうた、変わりつつある、変わるおそれがある。そういう変化の情報をできるだけ早うつかめる体制を作って、遅れることなく事務局へ知らせなあかん。病気と一緒で、湿地の劣化もじわじわ進むことが多いから、「あれ、ちょっとおかしいな」の段階で気づけるかどうかが分かれ目なんやね。
例えばな、Bさんの町の登録湿地の上流に工場ができて、排水で水質が悪うなって、水鳥の数が減り始めたとするわ。その国は変化を監視して事務局に報告して、その情報は第六条の締約国会議で検討されて、第八条の事務局を通じて各国に共有されていく。これ、要するに「気づいたら黙っとかんと、みんなに言う」っちゅう話や。早期発見と情報共有、健康管理の基本が国際条約にもそのまま生きてるんやで。
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