第11条第十一条
1 この条約は、無期限に効力を持つんやで。
2 どの締約国もな、この条約が自分の国について効力を生じた日から5年の期間が満了した後は、寄託者に書面による通告を行うことで、この条約を廃棄することができるんや。廃棄は、寄託者がその通告を受け取った日の後、4か月で効力を生ずるんやね。
始まりの決め方の次は、続き方と終わり方や。第1項は「この条約は、無期限に効力を有する」。たった一行やけど、ここに条約の覚悟が出てると思うわ。湿地と水鳥の保全は、10年20年で片が付く宿題やのうて、世代を超えて続けていく取り組みや。せやから最初から期限を区切らへん。「いつまでやるん?」に対する答えが「ずっと」なんやね。
ほんなら抜けたくなったらどうするんか。それが第2項の「廃棄」の手続きや。まず、条約が自分の国について効力を生じてから5年経ってなあかん。そのうえで寄託者に書面で通告して、通告が受領されてから4か月経って、ようやく離脱が成立する。入ってすぐ「やっぱりやめとくわ」ができへんように5年の据置期間を置いて、出るときにも4か月の猶予を挟む。二重の時間の縛りで、条約の関係を安定させてるんやね。
例えばな、A国が加入から3年目に、国内の事情で「もう抜けたい」と思ったとするやろ。それでも5年の満了までは廃棄できへん。5年待って、書面で通告して、さらに4か月。ずいぶん回りくどく感じるかもしれへんけど、考えてみてほしいんや。この条約の中身は湿地の保全で、登録簿には各国の湿地が載って、渡り鳥は毎年その道筋を頼りに飛んでる。ある国が思いつきでぱっと抜けられたら、鳥の旅の途中の一箇所が急に空白になってまう。ゆっくりしか抜けられへん仕組みは、残される側への思いやりでもあるんやね。
これ、要するに「入りやすく、続けやすく、抜けにくく」っちゅう話や。第九条から第十一条まで並べて読むと、参加、発効、離脱っていう締約国の一生が順番に描かれてて、この条文はその最終章。終わり方まで丁寧に決めてあるのが、長続きする約束の条件なんやで。
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