第10条第10条
条約に入ってる国々はな、月やほかの天体も含めた宇宙空間の探査と利用における国際協力を、この条約の目的に沿うて進めていくために、ほかの条約加盟国が打ち上げた宇宙物体の飛行を観測する機会をもらえるようにという、その国からの要請に対して、平等の原則に基づいてちゃんと考慮せなあかんのや。その観測の機会がどんな性質のものか、どういう条件で与えられるかについては、関係する国同士の合意で決めるもんやで。
ロケットが轟音をあげて飛び立っていく瞬間を、すぐそばで眺めてみたいと思うたことないか? 自分の国に打ち上げ基地があらへんかったら、そんな景色はよその世界の話に思えてしまうかもしれへん。せやけど宇宙条約はな、そういう「見せてほしい」いう頼みごとに、国同士がちゃんと向き合う姿勢を求めとるんやで。
宇宙開発は一部の国だけが独り占めしてええもんやない、いう考え方は、第1条からずっと流れとるもんや。せやから、ある国が新しい人工衛星や探査機を打ち上げるとき、まだ自前の打ち上げ技術を持たへん国から「その様子を見せてもらえへんか」と頼まれたら、頼まれた国は平等の原則に基づいて、その申し出をちゃんと検討せなあかんことになっとるんや。ただし「絶対に見せなあかん」という強い義務やのうて、「考慮を払う」にとどまっとるところがミソでな。軍事にかかわる微妙な打ち上げまで、なんでもかんでも見せなあかんわけやないんやで。どこまで見せるか、どんな条件で立ち会えるかは、結局のところ関係する国同士がじっくり話し合って決めるもんなんや。
例えばな、Aさんの国が有人宇宙船の帰還カプセルを海に着水させて回収する計画を立てたとするやろ。まだ自前では有人飛行を実現できてへんLさんの国が「その回収作業を近くで見学させてほしい」と申し入れてきたら、Aさんの国はその頼みを仲間はずれにしたり、特別扱いしたりしたらあかん。平等の原則に基づいて、きちんと検討することになるんや。実際にどこまで近づいて見学できるか、どの船に同乗できるかいうた具体的な条件は、両方の国が話し合って決めていく段取りになっとるんやで。
この条文がおもろいのはな、「義務」やのうて「考慮」を求めとるところなんや。宇宙開発の技術は軍事とも切っても切れへん関係にあるから、なんでもかんでも見せろとまでは言えへん。せやけど「平等に向き合う」いう姿勢だけは義務づけることで、技術を持つ国と持たへん国のあいだに、ちょっとずつでも橋をかけていこうとしとるんやな。宇宙が一部の国だけの秘密基地にならんように、こういう小さな気配りが積み重ねられとるんやで。
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