第6条第6条
国際度量衡局には、次のような仕事が任されとるで。
一つ目は、メートルとキログラムの新しい原器について、比較と検定を残らず行うことや。
二つ目は、国際原器を大事に保管すること。
三つ目は、各国の国家標準器を国際原器やその試験用複製と定期的に比較して、標準温度計の比較もすることやねん。
四つ目は、いろんな国で科学のために使われとる、メートル法とちゃう単位の基本標準器と原器を比較することや。
五つ目は、測地用の測定桿に封印をして比較すること。
六つ目は、政府や学会、それに製作者や研究者から頼まれることのある、精密な標準器や目盛りの検定・比較をすることやで。
一つの組織にいろんな仕事を任せる時は、その中身をちゃんと箇条書きにしとかんと、あとで「それ誰の仕事やったっけ」ってなってまうやろ。第6条は、国際度量衡局が実際に何をする場所なんかを、六つの項目に分けて具体的に書き出しとる条文やねん。
例えばな、Aさんが所属するオーケストラ部で、演奏会の前にはかならず「基準の音叉」を使って、全員の楽器の音程を合わせる作業をするんや。バイオリン担当もフルート担当も、まずはこの一本の音叉を基準にして、自分の楽器をチューニングし直す。時々は楽器そのものの精度も確認せなあかんし、新しく入った一年生の楽器と先輩の楽器を見比べることもある。基準がぶれてしもたら、演奏全体が台無しになってまうからな。第6条が局に任せとる六つの仕事も、これと似た発想でな、新しい原器同士の比較・検定、原器の保管、各国の標準器との定期比較、メートル法とちゃう単位の基準との比較、測地用の道具の封印と比較、それに頼まれた標準器の検定と、とにかく「基準がずれてへんか、常にチェックし続ける」いう役目を担っとるんやで。
実は日本も無関係やないんやで。明治政府がこの条約に加わったあと、フランスからはるばる海を渡って、日本専用の原器が届いたことがあってん。メートルの原器には「No.22」、キログラムの原器には「No.6」いう、まるで工業製品みたいな管理番号までついとって、これが長いこと日本国内の長さと重さのお手本として大事に使われてきたんや。第6条にある「国家標準の比較」いう仕事があったからこそ、海の向こうの物差しと日本の物差しが、ちゃんと同じ目盛りでつながっとるいうわけやねん。遠いヨーロッパの話に見えて、実は日本の暮らしとも地続きの条文なんやで。
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