第3条 詔を承りては必ず謹め
第3条 お上の命令は素直に聞きなはれ
三に曰く。詔を承りては必ず謹め。君は則ち天なり。臣は則ち地なり。天は覆ひ、地は載す。四時順に行はれて、万気通ずることを得たり。地、天を載せんと欲せば、則ち壊れを致さん。これを以て君言へば臣承り、上行へば下靡く。故に詔を承りては必ず謹め。謹まざれば則ち自ら敗れん。
第三条はな、「詔(みことのり)を承りては必ず謹め」っちゅうことやねん。これは、天皇さんのお言葉は大切に聞きなさい、っちゅう意味や。
太子さんは、君主は天のようなもんで、臣下は地のようなもんやと言うてはる。
天が地を覆うて、地が天を支えてるからこそ、春夏秋冬がちゃんと巡って、すべてのものが順調に育つんやでな。
もし地が天を支えよう思うたら、世界がひっくり返ってしまうやろ。
せやから、君主が言うたことを臣下が受けて、上が行うたことに下が従う。そやから詔を受けるときは必ず慎重にせなあかん。もし軽く考えたら、自分で自分を滅ぼすことになってしまうんや。
ワンポイント解説
第三条は君主権威の確立と上下秩序の重要性を説いた条文である。「君は則ち天なり、臣は則ち地なり」という天地の比喩は、中国古典の政治思想から影響を受けたもので、自然秩序と政治秩序の対応関係を表現している。
当時の政治的背景として、6世紀末の日本は蘇我氏をはじめとする有力豪族が割拠し、中央集権的な政治体制が確立されていなかった。太子はこのような政治的混乱を収束させるため、明確な政治的ヒエラルキーの確立を重要視した。天地の自然秩序になぞらえることで、政治秩序の必然性と合理性を論理的に説明している。
現代的観点からは、組織運営における役割分担と責任体系の重要性として理解できる。ただし、絶対的な上下関係ではなく、天と地が相互補完的な関係にあるように、リーダーシップとフォロワーシップの相互依存関係として解釈することが適切である。民主主義社会においても、効果的な組織運営には適切な権限と責任の配分が不可欠であり、この条文の核心的価値は現代にも適用可能である。
この条文は、今の時代から見ると「上下関係が厳しすぎるんちゃうか」って思う人もおるやろな。でもな、太子さんが生きてた時代を考えてみ。まだ日本は統一されてなくて、あちこちで豪族同士が権力争いをしてたんや。
太子さんは、そんな混乱を収めるためには、しっかりとした秩序が必要やと考えはったんやな。ただ、ここで大事なんは、「天と地」の例えや。天は地を大切にして、地は天を支える。お互いが役割を果たしてこそ、自然がうまくいくっちゅうことやねん。
現代風に言うなら、リーダーはリーダーの責任を果たし、フォロワーはフォロワーの役割を大切にする。そうやって、みんなが自分の役割を理解して協力することで、組織や社会がうまく回るんやっちゅうことやと思うで。
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