第5条第5条 老年による辞退の禁
能力のあるお方はんは、たとえ歳を重ねはったとしても、三公や摂政・関白の職を自分から辞表出して辞めたらあかんのや。
ただし、辞表を出さはった場合でも、また同じ職に再任することはできるんやでな。
ワンポイント解説
第四条では力のない者はあかんと言うといて、この第五条では今度は逆に、力のある人を歳のせいだけで辞めさせたらあかんと言うてる。両方セットで読むと、この法度が求めてるんは結局「年齢でも家柄でもなく、実力で判断せえ」いうことなんやと、よう分かってくるんよ。
例えばな、Iさんが長年関白を務めてきて、だいぶ歳を取ってきたから「もう若い人に譲ったほうがええんやろか」と思うて、いっぺん辞表を出したとするやろ。せやけど朝廷や幕府から見て、Iさんの手腕がまだまだ必要やと判断されたら、この条文のおかげでもういっぺん同じ職に呼び戻すことができる。歳を取ったから引退や、いう単純な話やないんやな。
ここで大事なんは、辞表を出すこと自体は止められへんという点やろな。無理に居座らせるんやのうて、いったん辞表という形を取りつつ、必要ならJさんのような後任候補があってもなお、実力者を呼び戻す道をちゃんと残しとく。年齢と能力を切り分けて考える、当時としてはなかなか筋の通った発想やと思うで。
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