第14条第14条 僧正・門跡の先例
僧正、これは大僧正・正僧正・権僧正のことやけど、その位や、門跡・院家の任命はな、昔からの決まりを守らなあかんのやで。
生まれが平民の人についてはな、ずば抜けて優れた人物を、めったにないこととして取り立てる場合でも、准僧正どまりにせなあかんのや。
ただし、天皇や大臣の師匠をしてはる人は、これとは別に考えなあかんのやで。
ワンポイント解説
この条文もさっきの十条と似たとこがあってな、基本は「先例を守れ」「家柄や由緒のある寺の格式どおりに」ゆう話やねんけど、そこに小さいけど大事な抜け道がひとつ用意したあるんよ。生まれが平民でも、ずば抜けた人物やったら、僧正の一歩手前の准僧正までは行ける、ゆう道が残されとるんや。
例えばな、Xさんゆうお坊さんがおったとして、Xさんの実家は特に由緒のある寺でも公家の家でもない、ふつうの平民の家やったとするやろ。それでもXさんが厳しい修行を積んで、学識でも周りから抜きん出た評判を得たとしたら、正僧正や大僧正にはなれへんでも、准僧正ゆう形で高い位に取り立ててもらえる可能性が出てくるんや。完全に閉ざされた世界やなくて、ほんの少しだけ、扉が開いとる感じやな。
ほんでもうひとつ面白いのが、こんな僧侶の位のことまで、天皇や公家のための法度にわざわざ書いてあるゆうことやねん。これは当時、門跡ゆう格の高いお寺の住職に、皇族や公家の子弟がぎょうさん就いとったからで、お寺の世界と朝廷の世界が、人のやり取りの面でもがっちり結びついとったからなんや。せやから朝廷の決まりを整えるには、お寺の位についても触れんとあかんかった、ゆうことやろな。
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