第8条第8条 婚姻の許可制
私的に勝手に婚姻を取り決めたらあかんことやで。
そもそも婚姻いうんは、陰と陽が和合する大事な道なんや。安易にするもんとちゃうで。「睽」の卦にも「寇に匪ず婚媾せん」言うて、まるで敵かと思うたら実は婚姻の申し込みやった、いう話があるんやけど、敵と通じようとしたら時機を逃してしまうんよ。「桃夭」の詩にも「男女正を以て婚姻し、時を以てすれば」言うて、正しいやり方で時期を守って婚姻すれば、国に独り身のまま取り残される者はおらんようになる、とあるんや。せやけど、縁組を利用して仲間内の党派を作る者は、それは謀を企てるもとになるんやで。
ワンポイント解説
「結婚を国に届け出なあかん」て聞いたら、今の感覚やとびっくりするかもしれへんね。せやけどこの時代の大名にとって、結婚は恋愛の話やのうて、家と家を結びつける大事な取り決めやったんよ。
例えばな、力のあるOさんいう大名の娘さんと、同じくらい力のあるPさんいう大名の息子さんが結婚したとするやろ。二人の気持ちは関係ないところで、周りから見たらOさんの家とPさんの家がガッチリ手を組んだ、いう合図になってしまうんよ。もしOさんとPさんがどちらも幕府に不満を持っとる大名やったら、この結婚は幕府にとってかなり気になる話になるやろな。
条文の中に出てくる古い書物の言葉、あれは決して堅苦しいだけの飾りやないんよ。「時機を守って正しく婚姻すれば、国に独り身の人がおらんようになる」ていうのは、本来の結婚のあるべき姿を示しとって、そのうえで「縁を利用して党派を作るのは謀のもとや」と釘を刺しとるんやな。つまりこの条文は、結婚そのものを否定しとるんやのうて、結婚が政治の道具にされてしまうことを警戒しとるんよ。
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