第805条 特別補償料
第805条 特別補償料
海難に遭遇した船舶から排出された油その他の物により海洋が汚染され、当該汚染が広範囲の沿岸海域において海洋環境の保全に著しい障害を及ぼし、若しくは人の健康を害し、又はこれらの障害を及ぼすおそれがある場合において、当該船舶の救助に従事した者が当該障害の防止又は軽減のための措置をとったときは、その者(以下この条において「汚染対処船舶救助従事者」という。)は、特約があるときを除き、船舶所有者に対し、特別補償料の支払を請求することができる。
特別補償料の額は、前項に規定する措置として必要又は有益であった費用に相当する額とする。
汚染対処船舶救助従事者がその措置により第一項に規定する障害を防止し、又は軽減したときは、特別補償料は、当事者の請求により、前項に規定する費用に相当する額以上当該額に百分の三十(当該額が当該障害の防止又は軽減の結果に比して著しく少ないことその他の特別の事情がある場合にあっては、百分の百)を乗じて得た額を加算した額以下の範囲内において、裁判所がこれを定める。この場合においては、第七百九十三条の規定を準用する。
汚染対処船舶救助従事者が同一の海難につき救助料に係る債権を有するときは、特別補償料の額は、当該救助料の額を控除した額とする。
汚染対処船舶救助従事者の過失によって第一項に規定する障害を防止し、又は軽減することができなかったときは、裁判所は、これを考慮して、特別補償料の額を定めることができる。
海難に遭遇した船舶から排出された油その他の物により海洋が汚染され、当該汚染が広範囲の沿岸海域において海洋環境の保全に著しい障害を及ぼし、若しくは人の健康を害し、又はこれらの障害を及ぼすおそれがある場合において、当該船舶の救助に従事した者が当該障害の防止又は軽減のための措置をとったときは、その者(以下この条において「汚染対処船舶救助従事者」というで。)は、特約があるときを除き、船舶所有者に対し、特別補償料の支払を請求することができるんや。
特別補償料の額は、前項に規定する措置として必要又は有益であった費用に相当する額とするで。
汚染対処船舶救助従事者がその措置により第一項に規定する障害を防止し、又は軽減したときは、特別補償料は、当事者の請求により、前項に規定する費用に相当する額以上当該額に百分の三十(当該額が当該障害の防止又は軽減の結果に比して著しく少ないことその他の特別の事情がある場合にあっては、百分の百)を乗じて得た額を加算した額以下の範囲内において、裁判所がこれを定めるんやで。この場合においては、第七百九十三条の規定を準用するねん。
汚染対処船舶救助従事者が同一の海難につき救助料に係る債権を有するときは、特別補償料の額は、当該救助料の額を控除した額とするんや。
汚染対処船舶救助従事者の過失によって第一項に規定する障害を防止し、又は軽減することができへんかったときは、裁判所は、これを考慮して、特別補償料の額を定めることができるで。
ワンポイント解説
この条文は、海洋汚染防止のための特別補償料について定めています。海難船舶から排出された油等により海洋が汚染され、広範囲の沿岸海域に著しい障害が生じた場合、救助従事者が汚染防止措置をとったときは、船舶所有者に対して特別補償料を請求できます。
第2項では、特別補償料の額は必要又は有益であった費用相当額とし、第3項では、障害を防止又は軽減した場合は費用の130%(特別の事情がある場合は200%)まで加算できるとしています。第4項では、同一海難で救助料債権がある場合は控除し、第5項では、過失がある場合は減額できるとしています。
この規定は、海洋汚染防止という公益的活動に対する特別な補償制度です。通常の救助料とは別に、環境保護への貢献を評価する仕組みです。
この条文は、海の汚染を防ぐための特別補償料についてや。船が事故って油が流れ出して、海が汚染されて沿岸に大きな被害が出る時、救助した人が汚染を防ぐ措置をとったら、船主に特別補償料を請求できるんや。
第2項で、補償料の額は、かかった費用と同じ額。第3項で、汚染を防いだり軽減したりできたら、費用の130%(特別な事情があったら200%)まで加算してもらえる。第4項で、同じ海難で救助料ももらえる場合は、救助料の分を引く。第5項で、自分のミスで汚染を防げへんかったら、減額される。
「環境を守る仕事には、特別な報酬を出す」っちゅうことや。昔の大阪湾でも、船が沈んで油が流れ出すことがあったんや。そうすると、魚が死んで、漁師が困る。海岸が汚れて、観光客が来えへんようになる。めちゃくちゃ被害が大きいんや。せやから、救助する人が「油の流出を止めよう」「海を汚染せんようにしよう」って頑張ったら、その努力に対して特別な報酬を出すんや。通常の救助料だけやと、「危ない汚染対策なんかせんと、人だけ助けたらええわ」ってなるかもしれへん。せやけど、特別補償料があったら、「海を守るために頑張ろう」っちゅう気になる。これが環境保護のインセンティブやねん。公益も大事にする。これが社会責任やで。
簡単操作