第520条の16記名式所持人払証券の譲渡における債務者の抗弁の制限
記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生じる結果を除いて、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができへん。
記名式所持人払証券の譲渡における債務者の抗弁の制限について決めてるんや。記名式所持人払証券の債務者(払う人)は、証券に書いてあることと、証券の性質から当然に生じる結果以外は、証券が譲渡される前の債権者に対して使えた言い訳(抗弁)を、善意の譲受人に対しては使われへんっちゅう決まりやねん。つまり、証券が譲渡されたら、新しい持ち主に対しては、元の債権者との間の事情を持ち出されへんねん。
例えばな、AさんがBさんに対して100万円の記名式所持人払証券を発行したとするやん。でも実は、Aさんは Bさんに対して80万円の反対債権を持っとって、相殺できる状態やったとするやろ。その後、Bさんがその証券を知らんCさんに譲渡したとするねん。この場合、Aさんは Cさんに対して「Bさんとは相殺できたから、20万円しか払いませんわ」っていう言い訳は使われへんねん。Cさんは Bさんとの事情を知らん善意の譲受人やから、100万円全額をもらう権利があるんや。Aさんは Cさんに100万円全額払わなあかんねん。
なんでこんなルールがあるかっちゅうと、記名式所持人払証券は、流通性が高い証券やから、譲受人を保護せなあかんねん。もし債務者が、元の債権者との間の事情を持ち出して、「相殺できるから払いませんわ」とか言えたら、譲受人は困るやろ。譲受人は、元の債権者との間の事情なんて知らんねんから。そやから、善意の譲受人に対しては、証券に書いてあること以外の抗弁は使われへんっちゅうルールにして、譲受人を守ってるんや。証券の流通性と取引の安全性を確保するための大事な決まりやで。
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